KAIL体験談その3(長崎市長田上氏の講演) 

時間があいてしまったけれど、KAIL報告その3として、長崎市長の田上さんの講演の記録を。

初めてお目にかかる田上氏は
メディアでみるのと同じほがらかなお顔、親しみのある雰囲気、物腰の方だった。
意外に身長が高くて歩き方もスマートだ。

さて、彼は1年前、時の人として市長に当選された。
実質2日と2時間の選挙戦、953票という僅差での勝負だった。

田上さんといえば、市職員時代に、観光振興課の主幹であり、イベント・ツーリズムのプランナーである茶谷氏を招聘し、長崎さるく博を作り上げてきた中心人物。

このお話は、まちづくりや行政に関与していない人でも、とても興味深く読めると思うのでオススメ。

「まち歩きが観光を変える〜長崎さるく博プロデューサー・ノート」茶谷幸治著 学芸出版社



彼がもし市長になっていなくても、この本を読めば、
この田上富久という人が非常にキレる人であるというのは明白である。


さるく博自体は3年かけてその位置を大きく、確固たるものにしていった。
田上氏は途中で人事異動により別の部署に変わられたが、以降もさるく博のガイドとして現場の人となって動かれている。

そんな中、前市長が選挙戦のさなかに凶弾に倒れ、補充立候補制度により立候補された田上氏。
一般の選挙ですら、その立候補は悩みに悩みぬかれる方が多い中、
悩む暇も選挙活動をする間もなかった彼が立候補したのは、
「長崎が大事な時期。みんなで長崎をよくしようとしてきた。
今までやってきたこと、いってきたことの次にはそれしかなかった。
後悔するかしないかを考えた時に、この道しかなかった。」という気持ちだったそう。

「自分たちの街を自分たちで作ろう。誰かがやってくれないからとブツブツ言うのは絶対ダメと思った。
さるくをやってやっとここまで出来てきたのに。すんでいる人にとって大きな流れが出来た。」

「長崎の思考を止めたくない。」

彼にとっては、観光課主幹として関わったさるく博や市民と近いところの動きで得た「長崎の変化」の手ごたえが、今ここで止めることにもなりかねない、という危機感があったのではないだろうか。

さて、彼が市長になって1年が経過したが、そのbefore afterを聞いた。

まず最初の1年は、現場を回ることを重点的にしたそうだ。特に合併した周辺の町にはよく足を運んだそう。(長崎市は7つの町を吸収合併している)
田上氏は言われる。
「合併していいことはない。だまってると10落ちるよというのを3落ちるところにしようよ、というのが合併。だが、それは体感的にわかりにくい」
「観光施設を持っているところは”合併してよかった”というところもある。全体的に不満が大きいという感じはない」

合併問題については、各所問題があることも多い(というより問題がないことはない)。
これをどう決めていくかは市長および市の悩みどころで、又腕の振るいどころだろう。
例えば、長崎市ではコミュニティには補助金を出さないとしているが、合併した町の中には出さないとコミュニティがつぶれてしまう可能性があるところがあるという話を聞いた。

コミュニティの場をつぶさないようにするには、これまでの規定を見直すとか、特例を認めるとか、
柔軟な態度が望まれる。
何を大切にするのかが前提であることが、地方自治だけではなく、私たちの生活全般に言えることだなぁとお話しを聞きながら思う。

(つづく)

[ 2008/07/01 16:31 ] 地域づくり・ひとづくり | TB(0) | CM(0)

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